ジェイコブ「大気化学入門」を読む。化学がこんなに分かっていいのかしら。

D.J.ジェイコブ「大気化学入門」東京大学出版会、2002年を読む。あまりにもすらすら内容が頭に入ってくるので、逆に、こんなに分かっていいのかしら、と思えるぐらいだ。良書である。

大気化学、大気物理学は環境問題を考えるときの基本的な学問の一つ。非専門家でも、ある程度の学問は知っておきたいものだ。そういう人に最適な教科書が本書。この程度の学問は、共通認識としておきたいものだ。

本書は極めて分かりやすい。読みやすい。記述が親切で、すらすらと頭に入ってくる。化学が分かった気になる。楽しい本だ。高校生が読んだら、よし、化学者になろう、と決断させる本のひとつとなろう。

説明が上手すぎて、行き過ぎもある。p.45 と p.47。そこは、専門家の訳者がしっかり指摘してくれている。レベルの高い人から見れば、本書の欠点も見えてくるだろう。しかし、初心者にとってはこのような本が絶好なのだ。

数値計算の例題がたくさんあるのはこの分野の本として望ましい。練習問題は易しくて、本文をよんでいるとすらすれできるので、楽しくなる。自分に分析能力がついたと自信(過信)がつく。いろいろ別の数値をいれた計算をやってみたくなる。出発点として利用できる有用な本だ。

もちろん、この本に書いてあることがすべて正しいとは限らない。それが学問だ。しかし、この本により、大気を化学的に理解するにはどのような方法があり、どのように数値計算をすればすこしは定量的な議論ができるかわかってくる。入門書として最適なものとして位置づけられる。

環境問題に関心のあるひとは、理系・文系にかかわらず、本書程度の化学は共通認識としたいものだ。

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