耐性菌と人類の終わりなき闘い。(生物学の教科書を読む)

「大学生物学の教科書」からの引用です。人類は細菌と、果てしない闘いを続けているのです。負けたほうが絶滅します。人類が負けるかもしれません。

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生物学者に言わせれば、抗生物質が発見され臨床に使用されるずっと前か抗生物質に対して抵抗性を持たせるR因子は存在していた。

しかし、現代になってR因子は数を増してきているように思える。
それは、臨床や畜産(養殖)で抗生物質が過剰に使用されたため、抗生物質に耐性を持つ細菌が選択されたからだろう。

抗生物質耐性は人間の健康に対して深刻な脅威をもたらしており、抗生物質の不適切な使用により助長されている。

ウイルスか細菌が原因でのどが腫れたら、医者のところに行くだろう。
症状の原因を決定する一番よい方法は、のどからサンプルを採取して、培養して細菌を同定することだが、結果が出るまで数日かかり、それまで待つことなんてできないと思うだろ
う。
耐え切れずに、症状を良くする何かが欲しいと医者に頼む。
そうすると、医者は抗生物質を処方する。
のどの腫れは次第に良くなり、抗生物質が効いたのだと思うだろう。

しかし、ウイルスによる感染だと仮定してみよう。
この場合、抗生物質は感染には何もせず、そのまま通り抜けていく。
むしろ、なにか有害なことをするかもしれない。
体内にいる普通の細菌を殺してしまい、R因子を持つ細菌だけが生き残るかもしれない。
こうした細菌は抗生物質があっても生き残り、すばやく増殖し大量繁殖する。
こうした細菌を保持し、他の人に渡してしまうかもしれない。
次回、細菌に感染したとき、体内には耐性菌がすっかり整っているかもしれない。
その場合、抗生物質は効かなくなってしまう。

病原性細菌による抗生物質に対する耐性の獲得は、進化のいい例とも言える。
20世紀に発見されて以来、抗生物質は何千年も人類を苦しめてきたコレラ、結核、ハンセン病といった病気との戦いに勝利してきた。
しかし、そのような時代は終わり、耐性菌が出現してきた。
細菌にも遺伝的多様性があり、抗生物質の猛攻撃から生き残った細菌は抗生物質に耐性のある遺伝的性質を持つ。
まさに典型的な自然選択である。(p.317)

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「アメリカ版大学生物学の教科書 2 分子遺伝学」を読む。人類の知的活動のものすごい産物。
http://44579446.at.webry.info/201011/article_41.html


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