「アメリカ版大学生物学の教科書 2 分子遺伝学」を読む。人類の知的活動のものすごい産物。

「カラー図解 アメリカ版大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学」を読む。20世紀後半の生物学の猛烈な進歩に圧倒された。人類の生物に関する理解はここまで進んだか。

遺伝学といえばメンデルがすぐ思い出されるが、当然ながら、人類の知識はそのレベルにとどまっていない。DNAレベルの研究が進み、遺伝の機構もずいぶん解明された。さまざまな生物のゲノムの分子配列も明らかになっている。ウイルスの増殖サイクルも解明された。さらに、遺伝子組み替えも行われている。

人類の生物理解はどこまで行くのだろうか。

生物は面白い対象だ。「分析analysis」と「総合synthesis」が常に隣り合わせにいる。実験で分析すると同時に、遺伝子組み換えで新しい生物を作り出そうとしている。物理学とはちがい、下(要素)から上(システム)への動きがある。

本巻では、実験法のいくつかが紹介されている。第一巻で不満を感じた側面だ。実験は論理構成が大切。どのような前提を置き(世界を定める)、なにを予想し(仮説)、なにを目的物とするか(理論の枠組み)がしっかりしていなく田はいけない。生物学でも同じ。その例が本書で垣間見れる。

インフルエンザにしろHIVにしろ、その増殖サイクルは明らかになったいる。しかし、抗生物質の使いすぎで、抗生物質の効かない病原菌が増えている。人類と病原菌の戦いには終わりがないのだろうか。どうなっていくのだろうか。

生物学とその応用は急速に一般大衆の生活に影響を及ぼしている。遺伝子組み換え食品、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、生物テロ。これらの事柄を理解するには、一般人の常識レベルを向上・進化させなければいけない。

本書はきわめて豊富な生物学の知識が詰め込まれている。現代の生物学の「攻勢」に対処するためにも、本書レベルの知識は社会の常識として、この上に立った科学的な議論ができる社会としたいものだ。

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「アメリカ版大学生物学の教科書 1 細胞生物学」を読む。細胞についての基礎情報が豊富。
http://44579446.at.webry.info/201011/article_7.html

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