書評:大沢健夫「寄り道の多い数学」。マクラが長くオチのない落語みたいな本。でもたのしい。

大沢健夫「寄り道の多い数学」岩波科学ライブラリー172、2010年、岩波書店を読む。とにかくマクラがながく、本題が薄く、いつのまにかにどこかに飛んでいる。そう、寄り道のおおいエッセーなのです。でも、どこか楽しい。隅に置けない数学者です。文章も的確。専門以外のことも良く知っている。表現が正確。面白い本です。

私的には、うるう年の作り方が一番面白かった。1年は365日より 0.2425 日多いのだから

     0.242 = 1/4 - 1/100 +1/500

と変形し、
    (1) 4年に1回、うるう年とする、
    (2) ただし、100年に1回は、うるう年とはしない、
    (3) さらにただし、500年に1回は、うるう年とする。
なんて面白い。

現代的なのは、

     0.242 = 1/5 +1/25 +1/500

すなわち、
    (1) 5年に1回、うるう年とする、
    (2) ただし、25年に1回、1年を367日とする。
    (3) さらにただし、500年に1回、1年を368日とする。
そうすれば、余った日は、現代的には休日になるだろうから、500年に1回は休日が3日も増える!

すこし真面目に論ずるとすれば、書かれているテーマ(数学の分野)はいづれも高級で、基礎知識なしにはこの本は楽しめないだろう。古典落語だって、江戸(本当は明治)の社会に対する理解がなくては楽しめない。

落語数学というべき本書が楽しめれば、古典落語を楽しむ資格になります!?


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