旅客機巡航高度は何で決まるか。飛行機の飛ばせ方(4)

大陸間を飛ぶ飛行機はだいたい高度1万メートルから1万2000メートルを飛んでいる。飛行機に乗っていて、モニターに出てくるが、不思議と、全行程で高度が一定ではない。なにが高度を決めているのだろうか。

いままでの議論から、抵抗が一番小さくなる高度を飛行機が飛んでいるように思える。しかし、実際はそうではない。横軸に高度、縦軸に抵抗(係数ではなく抵抗そのもの。すなわち、推力に等しい)をとったグラフを書いてみよう。

図1にそれを示す。
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不思議なことに高度1万1000メートル近辺で抵抗が一番高い。したがって、高度1万3000メートルとか、9000メートルで飛行するほうが、1万1000メートルで飛行するより燃料が少なくてすむ。しかしこれは対気速度のはなし。実際にはきわめて強力な偏西風が吹いている。向かい風の時にはこの偏西風の影響を受けないように、追い風の時には偏西風にうまくのるように高度を選ぶ。機長はGPSやINSのデータをもとに対地速度を計算し、偏西風の速度を機体の対気速度から計算して、最適な高度を選ぶことになる。

次に図2に抵抗係数の高度に対する依存性を示す。
係数にすると、必ずしも高度1万1000メートルで最大値を取るわけではない。係数は空気密度で無次元化したためで、逆に言うと、高度が下がると、抵抗係数は小さくても、抵抗そのものは大きくなることを示している。

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高度1万1000メートル近辺がいちばん抵抗が大きいとは面白い。


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旅客機巡航時の揚力と抵抗。飛行機の飛ばせ方(3)
http://44579446.at.webry.info/201102/article_57.html

旅客機巡航時の揚力係数と抵抗係数。飛行機の飛ばせ方(2)
http://44579446.at.webry.info/201102/article_56.html

旅客機の巡航速度と高度の関係。飛行機の飛ばせ方(1)
http://44579446.at.webry.info/201102/article_52.html

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