新燃岳「空振」の物理学。怖いのは熱。流体力学のお勉強(その35)。

「お勉強(その34)」で衝撃波内部の解を紹介した。温度分布を書くのを忘れていたので紹介する。下の図を見ていただきたい。r/r0 = 1 が衝撃波の位置で、r/r0<1 が衝撃波の内部、すなわち、衝撃波が通り過ぎた後の状態である。グラフからも分かるように、中心に近づくにつれて、きわめて急激に温度が上昇する。高温になるわけである。

雲仙普賢岳の災害を思い出していただきたい。このときの災害は、いわゆる火砕流による被害だが、高熱により真っ黒にこげた被災物が印象的だった。圧力による破壊は目立たなかった。このように、衝撃波が通り過ぎた後は、高温状態になるのだ。

なぜ高温になるか。(その34)で示したように、密度の高い層が衝撃波後流にでき、この層が薄いため、衝撃波からはなれると密度が急激に減少する。気体の状態方程式を思い出せば分かるように、圧力があまり変動しなければ(実際、衝撃波内部でこの状況が起きている)、密度が下がることは、温度が上がることを意味している。

物理学としてはおもしろい現象だが、実際の生活では高温現象への対処はむずかしい。大爆発がおこらないことを祈る。

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新燃岳「空振」の物理学。衝撃波の後ろの流れ場。流体力学のお勉強(その34)。
http://44579446.at.webry.info/201102/article_19.html

新燃岳「空振」の物理学。爆発エネルギーの効果。流体力学のお勉強(その33)。
http://44579446.at.webry.info/201102/article_18.html

新燃岳「空振」の物理学。衝撃波の伝播速度。流体力学のお勉強(その32)。
http://44579446.at.webry.info/201102/article_17.html

新燃岳爆発の「空振」は衝撃波shock wave による。流体力学のお勉強(その31)。
http://44579446.at.webry.info/201102/article_16.html

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衝撃波により圧力は急激に上昇します。流体力学のお勉強。(その30)
http://44579446.at.webry.info/201101/article_53.html

衝撃波の角度とくさびの角度の関係。流体力学のお勉強。(その29)
http://44579446.at.webry.info/201101/article_50.html

衝撃波とマッハ・コーンは別物(再論)。流体力学のお勉強。(その28)
http://44579446.at.webry.info/201101/article_49.html

衝撃波Shock wave の形状は飛行速度により変化します。流体力学のお勉強。(その27)
http://44579446.at.webry.info/201101/article_31.html

海の波の不思議。流体力学のお勉強。(その26)
http://44579446.at.webry.info/201010/article_43.html

超音速で飛行する時の衝撃波形状。流体力学のお勉強。(その25)
http://44579446.at.webry.info/201010/article_40.html

衝撃波とマッハ・コーンとは別物。流体力学のお勉強。(その24)
http://44579446.at.webry.info/201010/article_31.html

衝撃波(ショック・ウエーブ)の誤解。流体力学のお勉強。(その23)
http://44579446.at.webry.info/201010/article_28.html

ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その22)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_91.html

「はやぶさ」の再突入飛行経路はどうなっているのだろうか。流体力学のお勉強。(その21)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_89.html

ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その20)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_88.html

ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その19)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_60.html

ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その18)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_56.html

大気圏再突入のさせ方。流体力学のお勉強。(その17)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_49.html

ソニック・ブームとはなにか。流体力学のお勉強。(その16)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_44.html

大気圏再突入時の加熱現象に関する誤解。流体力学のお勉強。(その15)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_19.html

新幹線先頭車両形状と境界層剥離。流体力学のお勉強。(その14)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_100.html

ベルヌーイの定理の誤解。流体力学のお勉強。(その13)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_97.html

新幹線先頭車両形状と空気抵抗。流体力学のお勉強。(その12)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_95.html

新幹線での耳ツン現象。流体力学のお勉強。(その11)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_86.html

新幹線車両の空気抵抗。流体力学のお勉強。(その10)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_62.html

新幹線車両の空気抵抗。流体力学のお勉強。(その9)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_59.html

新幹線車両は最後尾車両の形状が重要。流体力学のお勉強。(その8)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_57.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その7)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_56.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その6)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_52.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その5)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_48.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その4)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_1.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その3)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_28.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その2)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_19.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その1)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_18.html

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