ペンローズ「重力の再発見」からの引用

ロジャー・ペンローズがアインシュタインの一般相対性理論の素人向けの説明をしている。「重力の再発見-アインシュタインの一般相対性理論の方程式」という題名である。

まず、引用する。

「科学革命の一般の構図は、従来受け入れられていた科学的見解が、それと矛盾する観測データが十分に集まってついに覆されるという構図である。しかし、アインシュタインの一般相対性理論は、この構図とはまるで違っていた。」(p.322)

「一般相対性理論は、重力を「時空の湾曲」による効果として記述している。しかし、わざわざそんな革命的な見方をする必要性などなさそうだった。」(p.324)

「水星の運動に、ほんのわずかだが完全には説明できない点があった。だが、当時の天文学者はそれほどきにしてはおらず、ニュートン物理学の範疇でこの小さな問題も解決がつくだろうと考えていた。観測結果から見ると、ニュートン物理学で不十分という可能性はほとんどなかった。」(p.324)

そう、量子力学とはちがって、相対性理論の対象とする世界では、当時の観測データは既存のパラダイム破綻の原因とはなっていなかったのだ。トマス・クーンはこの事実についてなにといったのだろうか。

ペンローズの論考は続く。重力波について。一般相対性理論の難点について(とくに二体問題)。そして、得意の時空の特異点について。さらには、時間非対称な理論であるべきとペンローズがいう量子重力について。また、観測の問題について。

ともあれ、45ページの小論であるが、見逃せない言葉がちりばめられている。

画像


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ファーメロ編著「美しくなけらばならない-現代科学の偉大な方程式」紀伊国屋書店、2003年。




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余談
Roger Penrose, The Road to Reality: A Complete Guide to the Laws of the Universe (2004, Vintage Books) を翻訳出版する勇気ある出版社は日本にはいないのか。

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