人工衛星のランデブー。追いつくには減速させます。不思議ですね。

同一の円軌道に入っているふたつの人工衛星。後ろの衛星が前の衛星に追いつかせてランデブーさせるには、後ろの衛星の速度を落とします。減速です。増速ではありません。不思議ですね。

実際に計算して見ましょう。

最初の円軌道の半径を a 速度を V とします。位置 A にいる衛星を、位置 B にいる衛星が追いかけるわけです。相対角度を theta とします。

位置 B にいる後ろの衛星の速度をおとし、楕円軌道に入れます。この楕円軌道の半長径を a'、離心率をe' とすると、
          a'(1+e') = a
          V' = Sqrt( (mu/a')・(1-e')/(1+e')
が成り立ちます。この二つの式から e' を消去すると、
          V' = Sqrt( (mu/a)・(2-(a/a')) )
            = V・Sqrt( 2-(a/a') )
            = V・Sqrt( 2- (P/P')^(2/3) )
となる。ここにPとP' は衛星AとBの公転周期である。

ランデブーが実現するためには、衛星A が軌道を 2*pi - theta 回って、位置Bに達する時間に、衛星B がちょうど楕円軌道を一周すればよい。したがって、
          P' = (2*pi-theta)/(2*pi)・P
となる。したがって、
          V' = V ・ Sqrt( 2 - ( (2*pi)/(2*pi-theta) )^(2/3) )
となる。予想されるように、theta が大きいほど、減速量が大きくなる。
また、ランデブーまでの時間は
          T = (2*pi-theta)/(2*pi) ・ P
であり、面白いことに、速度の減少量とは逆に、theta が小さいほど時間がかかる。

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グラフから分かるとおり、theta = 232.72 (deg) 以上離れているときは、後ろの衛星は前の衛星に追いつくことは出来ない。

ただし、以上の議論は地球の大きさを考えない場合である。地球の大きさを考えると、衛星が地球を突き抜けることはできないので、条件が厳しくなる。いま、地球の半径を R とすると、
          a'(1-e') > R
が衛星が地球とぶつからない条件である。これと
          a'(1+e') = a
より、
          a' > (1/2)・(a+R)
したがって、
          2-(a/a') > (2R)/(a+R)
すなわち
          V'/V > Sqrt( (2R)/(a+R) )
となる。
たとえば、a=2R とすると、V'/V > 0.816 なので、theta > 126 (deg) では追いつくことは出来ない。

もちろん、ランデブー時には衛星Bは減速させて衛星Aと同じ速度にさせる。

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天王星に行く方が海王星に行くよりエネルギが必要。ホーマン軌道の不思議
http://44579446.at.webry.info/201101/article_13.html

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