リニア車両 L0 を斬る。問題点がますます明らかになった。

JR東海が、2027年開業予定のリニア中央新幹線で使う営業車両「L0(エル・ゼロ)系」を2013年度末に開発すると発表した。この形状をみれば、リニア新幹線の空力技術上の問題点が分かる。

1.この先頭形状は、空力抵抗の低減を狙ったものではない。トンネル突入時の微気圧波の低減が最大の目的であることを示している。

2.空力抵抗の低減を目指すのなら、現在の亜音速旅客機の頭部形状と類似なものとなるはず。(最後部の形状は別途議論が必要。)

3.トンネル突入時の急激な流路断面積(車両とトンネル壁の間)の変化を少しでも軽減するために、15メートルもの先頭部断面積変化部を作らなければならなかった。この部分の車体内部は、いわば、ダミー・スペースで、空間と重量のムダとなっている。これほどまでの無駄な部分を作ってもトンネル突入時の圧力波を減らそうとしているのだから、この問題がどれだけ重大かが分かる。

4.車体断面形状を円形から角型に変えているのも、空力抵抗の面から言うとマイナスである。角型では空力抵抗が増える。航空機をみれば一目瞭然である。空力性能の限界を求めなければならない速度条件下で、これを無視して居住性を優位におく設計は間違っている。

5.山梨実験線は42キロメートルの距離しかない。トンネル突入や、トンネル内のすれ違いの実験はしているが、いかんせん、トンネルが短すぎる。これでは十分なデータが取れているとはいえない。リニア新幹線はまだまだ実験段階で、営業するには技術的なハードルが高すぎる。

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リニア建設の可否を問うコンセンサス会議を開け。
http://44579446.at.webry.info/201010/article_57.html

リニア建設の費用は誰が負担するのか。新幹線料金は高すぎる。
http://44579446.at.webry.info/201010/article_55.html

リニア新幹線は本当に必要か。東京-名古屋40分はコストに見合うか
http://44579446.at.webry.info/201010/article_24.html

リニア中央新幹線は、誰が、誰のために作るのか。
http://44579446.at.webry.info/201008/article_143.html

リニア新幹線の始発駅を品川に?ここにもJRの非常識があらわれている。
http://44579446.at.webry.info/201008/article_33.html

リニアはエコではない(再説)。物理学の基本にかえろう。
http://44579446.at.webry.info/201008/article_41.html

リニアはエコではない。膨大な電気を食うリニアは滅びるのみ。
http://44579446.at.webry.info/201007/article_122.html

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この記事へのコメント

jr7cwk
2010年11月23日 01:49
車体形状についてはリニアに限らず最近の新幹線車両でも同じ事が言えるのですが・・・
>1.この先頭形状は、空力抵抗の低減を狙ったものではない。トンネル突入時の微気圧波の低減が最大の目的
その通りだと思います。(編成が長いので先頭形状による「空気抵抗」はさほど問題ではなく、車両側面で空気を引きずる抵抗のほうが大きいそう。)
>2.空力抵抗の低減を目指すのなら、現在の亜音速旅客機の頭部形状と類似なものとなるはず。
単独で飛ぶ航空機と比べ、鉄道の場合下記の点で要求されるものが異なってくるようです。
・トンネル内でのすれちがいの考慮が必要(押し出された空気が車両側面に流れると対向車両の横揺れを誘発。よって空気を上にすくい上げてトンネル上側に逃がす)
・方向転換が困難で前にも後ろにもなる為に、先頭側での挙動と後部側の挙動の両立が必要。
(後部側になった場合に、飛行機で言う「尾翼」のような効果も狙っているらしいです。)
>4.車体断面形状を円形から角型に変えている
居住性の問題は東海道新幹線から500系を早めに撤退される事になった要因のひとつでもあり、営業面からどうしようもないようです。(技術でどうにかせい、という事)
>5.山梨実験線は42キロメートルの距離しかない。
確かに現在の実験線では距離は足りないでしょう。
>リニア新幹線はまだまだ実験段階
まぁ現在の新幹線だって「走りながら」現在まで発展してきたのですから、大きな(致命的な)問題を起こさないよう、十分に考慮いただければと願うばかりです。
2010年11月23日 09:01
jr7cwkさま、
今回は私の専門に近いので、すこしきつい主張をさせていただきます。
1.先頭部の圧力抵抗低減は依然重要です。側面の摩擦抵抗とは別問題です。忘れてはならないのは、最後部の圧力抵抗。米国B-1爆撃機のように、尾部を徐々に絞っていくのが尾部抵抗(base drag)を最小にします。ただし、鉄道では頭部・尾部が共用(往復する)ですので、その兼ね合い(tradeoff)が問題です。
2.トンネル内すれ違い時の空気の流れについては、学問的にも未着手のものと考えます。定説はありません。明かり区間(非トンネル区間)のすれ違い時の非定常圧力データは見たことがあります。お互いに引き寄せられます(一時的ですが)。
3.「尾翼の効果」がなにをさすのか分かりませんが、たぶん、これは「ウソ」です。そんなものは、空気力学上、ありません。
4.客室断面形状を円形から矩形にした代償(抵抗の増加)が定量的にどれだけあるか分かりませんが、航空機の胴体断面が、すべて、円形またはダブル・バブル(円形二つの組み合わせ)であることを考えると、リニアの技術陣の非力さを感ぜずにはいられません。
またよろしく。
2010年11月23日 12:01
訂正。
1.航空機の胴体を円形またはダブル・バブルにするのは、客室内圧力制御のためでした。外気圧が下がり(航空機は気圧の低い高度まで上昇する)、客室内圧力を保つため(高々度では、客室内圧力は0.8気圧まで下げますが)、内外の圧力差のため、胴体構造に力がかかります。この繰り返し(疲労強度)が構造設計の評点になっています。
2.リニアも客室内は、最初から最後まで、密閉するのでしょう(トンネル突入対策)。やはり、この疲労が設計評点になるのではないでしょうか。
3.戻りますが、横風特性を考えると、円形断面の方が矩形断面より、抵抗は小さいはずです。
jr7cwk
2010年11月23日 20:23
この分野、ご専門に近いそうで・・・
鉄道誌への関係者の寄稿記事が知識のベースの私では教えを乞う方になりそうです。
(よろしくお願いします。)

>トンネル内すれ違い時の空気の流れについては、学問的にも未着手
現状はそういう状況なのですか・・・
ちなみに私が書き込んだ
>押し出された空気が車両側面に流れると対向車両の横揺れを誘発。よって空気を上にすくい上げてトンネル上側に逃がす
という件は、300系のデザインで言われていた話だったと思います。

>「尾翼の効果」
これも鉄道誌で見かけたものです。
新幹線EXPLOLER Vol.16 2010夏号に掲載された、鉄道総合研究所 環境工学研究部長 飯田正宣博士へに教えを講うた、という「スタイリングに見る新幹線の進化」という700系の形状に関する記事に下記ように記述されています。
>あの形状というのは、運転台の部分(キャノピ・スタイル)を垂直尾翼に見立て、下ぶくれの部分は水平尾翼とし、2枚のハネによって、車両が最後尾に来た場合の動揺を抑えようと意図したものである。
>300系の最後尾車両がかなり揺れるという苦情があったため、それに対応するために考案されたアイディアであった。
注 ()内は私が注釈しました。

長くなりましたので分割します。
jr7cwk
2010年11月23日 20:24
つづきです。

>客室断面形状を円形から矩形にした代償
 空気抵抗の他、ご指摘のように車体に加わる応力という面では、特定の場所に応力が集中しやすくなる矩形はいろいろ不利な面があるものとは思います。(今までの新幹線車両でも相当苦労してきているはずですから・・・ノウハウは積んでいるものと・・・)

>横風特性を考えると、円形断面の方が矩形断面より、抵抗は小さいはず
私もそのように思います。ただ、鉄車輪で支える一般的な鉄道車両に比べると車両側面のコイルで浮上するリニアは比較的影響は少ないのかな、とも思っております。
2010年11月23日 21:24
1.「押し出された空気が車両側面に流れると対向車両の横揺れを誘発。よって空気を上にすくい上げてトンネル上側に逃がす」。定性的には正しいでしょう。しかし、トンネル内で閉塞比(車体断面積のトンネル断面積に対する比)、細長比(先端部の断面積が変化する長さの胴体直径に対する比)そしてすれ違う車体の間隔等を考えなければ議論できないと考えます。いずれにしろ、CFD、模型風洞試験、実車試験で、これらのパラメータを変えて、定量的に評価することが必要です。
2.「運転台の部分を垂直尾翼に見立て、下ぶくれの部分は水平尾翼とし、」。この文章は当方には理解不能です。確かに最後尾は揺れます。これは胴体に沿う境界層が剥離し、その剥離点(線)が非定常に位置を変えるからです。(圧力分布が均一でなくなり、かつ、時間的に変動する。)剥離を抑えるのが一番良いのですが(B-1爆撃機のように)、それもなかなか出来ませんので、車体表面に空力形状的なアクセントをつけて、そこに剥離点(線)を固定することで、振動が低減できます。このことを、「尾翼」と表現したのかもしれません。(翼イコール揚力発生装置がこの分野の常識です。Vortex generator とかslat とかおもしろいものもあります。)
鈍な(bluntな)後部形状の抵抗対策は、流体力学の最大テーマの一つです(自動車でも然り。ハッチバックの空力上の問題。)。
3.リニアはまだ開発中ですので、営業屋ではなく、技術屋にもっと頑張って貰いたいものです。

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