「はやぶさ」の再突入飛行経路はどうなっているのだろうか。流体力学のお勉強。(その21)

宇宙機器の大気圏への帰還時、その飛行経路の設計の仕方について、(その17)で紹介した。文章ばかりで分かりにくいので、具体的にグラフで説明しよう。

添付のグラフは、アポロの指令船が月から地球に帰ってきたときと、スペース・シャトルが地球周回軌道から大気圏に再突入するときの飛行経路のグラフを比較して示します。

横軸が、飛行速度、縦軸が高度です。時間に沿っておっていくと、右上から左下へ降りて来ることになります。

右上が大気圏への再突入速度です。
アポロでは、
V = 37 *10**3 (ft/sec) = 11.1 (km/sec)
で大気圏に再突入させます。

このばあい、そのまま「深く」軌道を取ると、速度が速くなりすぎて空力加熱で機体温度が上昇してしまいますので、高度は一定に保ち、速度を落すような軌道の取らせ方をします。
実際には、アポロ指令船は揚力を発生させることができませんので、大気圏への再突入角度で制御します。この角度が浅すぎると、水切り石のように、バウンドしてしまいます。バウンドギリギリの角度になるように大気圏突入前の軌道を作るわけです。

一方、スペース・シャトルでは、
V = 25 * 10**3 (ft/sec) = 7.5 (km/sec)
で大気圏に再突入させます。
スペース・シャトルは翼があって揚力を発生させることができますので、これを利用して、やはり、あまり急角度で降りてこないような軌道を選択します。

多分、「はやぶさ」の場合には、アポロのような軌道を設計しているのではないでしょうか。アポロは月からの帰還、「はやぶさ」は小惑星(月より遠い)からの帰還なので、「はやぶさ」の方が、大気圏突入速度は速くなっていると思います。(突入以前に減速させていないとすると。)

このように、大気圏への再突入は、空気があるせいで、とても複雑な現象があらわれ、それに対応した「飛ばせ方」を設計しなくてはなりません。


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大気圏再突入のさせ方。流体力学のお勉強。(その17)
http://44579446.at.webry.info/201008/article_49.html

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