ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その18)

流体力学のお勉強。(その4) で気流を可視化した写真を示した。もうすこしいい写真が見つかったので、それを見ながら説明しよう。

この写真は、レイノルズ数が 15,000 の時の写真だ。サッカーのボールはシュートのとき、レイノルズ数が 10**5 のオーダーで飛んでいるので、この写真からは正確なことはいえないが、定性的なことはいえる。

1.重要なことは剥離点(線)が安定しているかどうかである。この写真は、ボールは右から左へ飛んでいる。
この写真から見ると、ボールの前面では流れがボール表面に付着している。しかし、ボールの後面では流れがはがれている。はがれた領域は死水領域 wake と呼ばれる。死水領域で、ちいさなバブルが見られるが、これは本質的ではない。

2.はがれている領域は、大きな流れが無いから、圧力はほぼ一定である。はがれていない前面の領域では、流れに沿って、下流に行くほど圧力が低下するが、軸対称な流れなので、揚力(横力)は生じない。

3.重要なことは剥離点(線)が安定しているかどうかである。時間的に剥離点(線)が変化するかどうか、ということである。
この写真では、剥離線が、先端からほぼ等距離で、円周方向にきれいに並んでいる。したがって、揚力や横力はほとんど作用しない。抵抗(流れの方向の力)のみが支配的である。

4.レイノルズ数が小さいときには、この写真のように、剥離線が等位置に対称的な線となっている。このような条件ではぶれ球はおこらない。

5.しかし、レイノルズ数が大きくなってくると、剥離点(線)が不安定になり、その結果、揚力(横力)が生じるようになる。この揚力(横力)が、ぶれ球の原因となるのである。

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FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その6)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_52.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その5)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_48.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その4)
http://44579446.at.webry.info/201007/article_1.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その3)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_28.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その2)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_19.html

FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その1)
http://44579446.at.webry.info/201006/article_18.html

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