藤本博巳、友田良文「重力からみる地球」を読む。文章の下手な物理学者がいる。

物理学者はみな文書がうまいと思っていた。寺田寅彦、朝永振一郎。。。自然科学の啓蒙書は多いが、たいていはしっかり読ませる良い文章を書いている。読者のことをしっかり考えている。

その例外があった。本書だ。
藤本博巳、友田良文「重力からみる地球」東京大学出版会、2000年。
物理学者でもひどい文章を書く人がいるのだ。独りよがりで、論理に飛躍があり、読み手に理解してもらおうとする姿勢がまったくない。「おわりに」で、「編集者が首を傾けていることがあった」と平気で書いている。編集者でさえそうなのだから、初めてこの本に接する人は、首を傾けるどころか、首をねじっても本の内容を追うことができない。

要するに、一歩一歩順を追った記述がなされていないのだ。式をつかうのなら、その式の意味を説明し、数値を入れてどのような結果になるかを説明すれば良い。それが、本の上半分に式を書いておきながら、文章ではしっかり説明することもなく、勝手に次のテーマに飛んでいる。ひどいものだ。

読者を馬鹿にしてはいけない。数式でも、文章でも、誠実に、しっかり順序を追い、読者のことを考えれば、読むに耐える文章が書けるはず。本書の著者は読者を馬鹿にしている。

坪井忠二がいっている「重力は簡単すぎて面白くない」は、坪井の実力があって、かつ、彼独特のユーモアでいっているのであって、こんな面白いテーマはない。

重力はきわめて面白く、深くひろいテーマだ。こんな良いテーマをこんなつまらない説明をするから、科学離れが促進されるのだ。

++
バカな記述の例。
p.26. 「宇宙論の第一人者ホーキンス」 → ホーキングが正しい。ディラックだけ英語記述があって、ホーキングに英語記述がないから、間違える。
p.28 「(プリンピキア)という表題で王立協会に投稿した論文」 → (プリンピキア)は単行本。こんな長いものを「論文」として、投稿するわけがない。
ようするに、著者たちは、センスがないのだ。
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