須藤靖「もうひとつの一般相対論入門」を読む。これを入門と呼ぶにはちょっとキツイです。

須藤靖「もうひとつの一般相対論入門」 日本評論社、2010年を読む。同じ著者による「一般相対論入門」2005年がおなじ出版社から出ていて、本書は続編の位置づけにあるのだろう。「入門」を読まずして、「もうひとつ」をよむには、チト、きつい。

「入門」はずいぶん薄い本だった。基礎的な計算は、問題として出題されていて、その丁寧な解答が巻末にあった。その意味では、教科書というより、一般啓蒙書的な位置づけだった。書かれている対象は、まさに入門の対象であった。

それに対して、本書は、「もうひとつ」というより、重力波と重力レンズの各論の入門ということになろうか。天文学のこの分野によほどの関心がないかぎり、このテーマで数式を追っていく事はずいぶんと骨が折れる。読者が極めて限られるのではないだろうか。ブラックホールや宇宙起源論は書かれていない。

シュワルツシルド時空についての扱いも、すこし高級。自由な発想で柔軟に考えていかないと、本書のありがたさが分からない。要するに、入門というより、「別解」といったほうがあたっている。

ともあれ、高級な理学書が書かれ、読まれることは、その社会の程度のバロメータ。本書がどれだけ売れるか、期待したいものだ。

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