FIFAワールドカップ ぶれ球はなぜ起こるか。流体力学のお勉強。(その2)

(その1)でシュートの球のレイノルズ数を計算した。
http://44579446.at.webry.info/201006/article_18.html

ここでは,このレイノルズ数ではどんな現象がおきるのかを考えてみよう。

一般に,抵抗係数はレイノルズ数の連続関数と考えてよく,レイノルズ数の増加にともない,抵抗係数は徐々に減少する。

しかし,サッカーのシュートのときのレイノルズ数,すなわち臨界領域では,レイノルズ数の増加にともない,抵抗係数が急激に減少する。臨界領域はせまく,むしろ,臨界領域前と臨界領域後の抵抗係数に不連続的な現象となる。

この不連続的な現象の背後にある流体現象はなにか。この領域では,ボールが作る後流の構造に不安定な現象が出る。すなわち,境界層がボールの下流面で剥離するのだが,その剥離点が定まらず,剥離領域が変動する。その結果,ボールに対する流体力が非定常となり,ボールの運動に時間的な変動が表れる。

ボールに対する流体力の変動は,抵抗ではなく,横力に表れる。そのため,いわゆる「ぶれ球」となって,飛んでいくことになる。

もちろん,ボールの表面の条件(縫い目,粗さ,回転)も大きな影響要素となる。しっかりとした流体力学的な実験が望まれる。
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック